Bodies and Structures

Foreign Ministry Asia Bureau

外務省亜細亜局は1920年(大正9年)10月の勅令第492号によって、外務省政務局が亜細亜局と欧米局に分化することで成立した。政務局が2つの地域局に分化したことで、外務省は亜細亜局、欧米局、通商局、条約局の4局体制となり、この4局体制は1934年(昭和9年)に亜細亜局が東亜局に、欧米局が欧亜局と亜米利加局に改組されるまで続いた。政務局を2つの地域局に分化した背景には、政務局に集中した業務を分散させ日常の業務と別に政策研究を行う余裕をつくること、そしてそれまで通商局が担当してきた対中投資事業が多くの政治案件を含むようになり専門の部署を設ける必要が生じたことなどがある。亜細亜局は中国、香港、澳門及びラオスに関する外交事務を管轄するとされ、それに対して欧米局は亜細亜局が管轄しないヨーロッパ・アメリカをはじめとした他地域の外交事務を管轄した。亜細亜局第1課は旧政務局第1課所掌事業のうち、「支那、香港、澳門及暹羅国ニ関スル一般外交政策ニスル事項及政治上ノ条約及協定ノ締結改正ニ関スル事項。軍事ニ関スル事項」などの政務部門を取りつかうとされた。一方、亜細亜局2課は政務局第1課の経済・通称部門を引き継ぎ、同地域の「財政、借款、合弁事業、鉄道、鉱山及通信ニ関スル事項」を担当した。そして亜細亜局第3課は、「居留民ノ保護取締ニ関スル事項」を管轄した。

参考資料
「外務省官制中改正ノ件」 (大正9年10月23日勅令第492号)/Ref.A03021283000/外務省編『外務省の百年 上巻』原書房、1969年、999-1000頁/戸部良一『外務省革新派―世界新秩序の幻影』中公新書、2010年/熊本史雄「戦間期日本外務省における対中外交の組織的対応―亜細亜局設置の外交史的意義」『国際政治』第168号、2012年2月。「外務省官制中改正ノ件」 ( 昭和9年6月1日勅令第144号)/ Ref.A03021942200/外務省百年史編集委員会編『外務省の百年 下巻』原書房、1969年、5頁。

Source: ​https://www.jacar.go.jp/glossary/term1/0090-0010-0080-0020-0150.html

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